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シュタイン(stein)の、2020年春夏ウィメンズ＆メンズコレクションを紹介。
原宿のセレクトショップ「キャロル」のオーナーも手掛けるシュタインのデザイナー・浅川喜一朗が今季掲げたのは「COMPLETE AND COMPLETE」というテーマ。イメージソースとなったのは、タイポグラフィーだ。次々に新たなフォントが生み出されていく中で、完成に向かう未完成段階の美しさと、突き詰めた完成形の美しさの両方から着想を得た。
目に留まるのは、ゆったりとした仕立てのウェア。ロングコートやオールインワン、タックワイドパンツなど、いずれのウェアもオーバーシルエットながら、ミニマルでクリーンな空気感に昇華させている。独特なポイントは、重心のバランスと立体的なフォルム。
例えば、肩を大きくドロップさせたトレンチコートやステンカラーコート、タイロッケンコートなどのアウターは、いずれも袖に広がりを持たせつつ、下に重心を置いたデザイン。直線的に袖が落ち、流れるような身頃とともに、身体に沿った縦長のシルエットを描き出している。
Aラインのショートジャケットや、ボクシーなフォルムのダブルブレストジャケットは、程良く肩の力が抜けた緩やかさと、シルエットをきれいに見せる絶妙な立体感が魅力。袖の一部に切り込みを入れたVネックスウェットや、半袖シャツは背中に重心を置いた、丸みのある造形が特徴的だ。コンフォートな抜け感がありながら、洗練された空気感も漂わせている。
コーディネートにアクセントを加える、デザインディテールにも注目したい。フロントにベルクロを配したブルゾンは後ろ側も開く仕様になっており、バックスタイルに遊びを効かせた。シャツの袖には腕に沿うようにしてボタンがあしらわれており、インナーの袖を見せるようにして着こなすことが可能だ。
また、ポケットを複数配したミリタリーテイストのベストや、袖から肩周りのみを覆うショートトップスを使ったレイヤードスタイルも印象的。ベーシックなコーディネートにひねりを加え、構築的な佇まいを提示した。
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