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幾田りら&あのにインタビュー、“自分らしく生きる”2人にとっての「絶対揺らがないもの」とは?

アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の主演を務める幾田りら&あのにインタビュー。

アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 浅野いにお原作、幾田りら×あのW主演

アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(通称・デデデデ)』は、『ソラニン』や『おやすみプンプン』など数々の人気作品を世に送り出してきた浅野いにおによる同名の漫画を原作とするもの。突如上空に巨大な宇宙船の通称“母艦”が襲来した終末ムードの東京を舞台に、一緒に下校したり、放課後街に繰り出したりと日々の青春を謳歌する少女たち2人の姿を描く。

『デデデデ』声優キャストとしてW主演を務めるのは、幾田りらとあの。“小説を音楽にするユニット”YOASOBI のボーカルikura としても活動している幾田りらが小山門出役を演じ、“ano”名義で音楽活動やバラエティでも活躍するあのが、中川凰蘭役で声優に初挑戦する。

幾田りら&あのW主演で“親友役”を演じて

幾田りら, あの インタビュー|写真1

浅野いにおワールド全開の『デデデデ』。実際に原作漫画を読んでみていかがでしたか?

あの:僕はすごく好きでした。いにおさんならではの言葉の強さとか、絵のタッチは可愛いのに急にグサッと刺される鋭さとか。東京に突然巨大な宇宙船の“母艦”が襲来するというフィクション全開な設定の中に、意外と自分の周りでも起きちゃいそうなリアルな会話が転がっていたりするのも面白くて、どんどんハマっていきました。

幾田さんはいかがでしたか?

幾田:初めて読んだ時に思ったのは、とにかく絵の力がすごい!ということ。人物1人1人の表情はもちろん、“母艦”をはじめとする建造物の細かいディテールも凝っていて、その迫力に圧倒された記憶があります。

あのちゃんが言う通り、世界が終わっていくんじゃないかという絶望的な空気感の中で、門出やおんたんやその周りの人たちはすごくくだらない日常を過ごしているっていう、そのコントラストも魅力的ですよね。

“歌うように声を演じる” 「アーティスト同士の共鳴があった」

幾田りら, あの インタビュー|写真11

本作で初共演となる幾田さんとあのさん。お互いのイメージと、実際に会ってみての印象はいかがでしたか。

あの:幾田さんは、いつも完璧で、100点を出す人という印象。実際にお会いして、アフレコしたり、今回の主題歌を作る過程の中でも、そのイメージ通り「うん、完璧!」って思うことが多かったです。色んなことに向き合うのが上手なのは、ただ器用なだけじゃなくて、幾田さんが1つ1つに対して時間をかけて丁寧に向き合っているからこそなんだろうなと感じます。

幾田:私があのちゃんの音楽活動を見させてもらっている中での印象は、表現力が本当にすごいなということ。曲によってですけれども、人間的な弱い部分をすごくさらけだして全身全霊で歌ってくれたりとか、周りの目線を取っ払ってでも自分の生き様をしっかり見せてくれたりとか、そういう強さを感じていて、「すごいな…」って勝手に思っていました。

実際に楽曲を一緒に作ったり、アフレコの現場に行っても、その表現力は健在で。実際に頭で考えていることはきっとすごくたくさんあるんでしょうけど、それを表現に落とし込む、その伝達能力がすごいなと感じました。

幾田りら, あの インタビュー|写真8

“表現力”の話で言うと、歌を歌う時の息づかいが、声を吹き込む時の間や緩急とリンクしていた感じがしました。声優として声を演じることと、音楽で表現することに共通点はあるのでしょうか?

あの:声が全面的に表現に繋がる、というところでは似ていると思います。あとこれは実際に声優をやってみて気づいたことですが、リズム感や言葉の置き方、強弱の付け方、感情の入れ方とかも、歌っている時と結構そっくり。それが正解かは分からないですが、僕は今回自然と“歌うように演じて”いました。完成した映像を見ても、それでよかったのではないかなと思ってます。

幾田:今あのちゃんが言っていた通り、リズム感や、そこに出てくる音程感、そういったニュアンスを色々装飾することで聞きやすくなるのは音楽と共通してるなと感じました。あのちゃんとの掛け合いの中で思ったのは、激しいシーンの中での間合いだったり、ちょっとした温度感だったりのチューニングを合わせるのが早いなということ。お互いの熱量をすぐにぴたっとはめることができたので、そういう部分でも、音楽をやっているもの同士の共鳴があったのかもしれません。

逆に、“声の演技ならでは”だと思うことはなんでしょう?

あの:タイム感が重視されるのは、声優ならではだと思います。歌を歌う時はテンションやニュアンスの付け方が自由なので、正直ちょっとずれてもOKなんですが、声を吹き込む時は画面の右上に表示されるタイムを見つつ、きっちりタイミングを合わせなくてはいけない。音楽でもリズム感やタイム感は大切ですが、声優のほうがより厳密かなという印象です。

幾田:“語りの自然さ”が求められるのも声優ならではですよね。音楽とか歌って、日常生活からプラスアルファで何か起こしたことによって生まれるもので、喋りと比べるとアートに寄っていると思うんです。ですが、喋ることって日常生活の中での自然な行為なので、歌と全く同じテンション感で喋ると、やはり少し大げさすぎたりあざとすぎたりしてしまうと感じました。

特に、門出は内に秘めている思いがありながらも違う言葉が出てきたり、人によってコミュニケーションの取り方を変えたりするタイプなので、すごく自然体な喋りの中でそういった絶妙なニュアンスをつけて演技をするというところは難しいなと感じていました。

幾田りら, あの インタビュー|写真9

ほかにも、実際にアフレコで苦労したシーンはありますか?

幾田:テイクを撮りなおしたところでいうと、門出とおんたんが喧嘩するシーン。殴る・殴られたときの「フンッ」っていう音とか、絵にはのってなくてセリフもないけども、声だけで演技しなくてはいけない長尺のシーンがあって。そこは、「もっとこうしたほうが自然に喧嘩している感じの雰囲気が出るよ」と演出してもらいながら、何回かやり直しました。2人で「せーの」で撮っているので、どちらかがちょっと嚙んじゃったり間違えたりすると撮り直しになってしまう。ワンテイクで全部撮りきる緊張感も相まって、苦労しました。

あの:シンプルに早口すぎて口が回らないというのはありましたね。あとは、幾田さんが言っていたような、取っ組み合いとか物を投げるところとかの息づかいは、実際に動いている俳優さんとの演技ともまたちょっと違って難しかった。特に、走っているシーン。「走っている感じで!」という演出も、自分なりに「ハア、ハア」みたいな感じでやったのですが、果たしてそれで合っていたのか…。まあ、そんなチャレンジングなところも含めて楽しかったです。

コラボ楽曲で“お互いの新しい一面を引き出した”

スタイリスト:SHOTA FUNAHASHI(DRAGONFRUIT)
ヘアメイク:YOUCA
ジャケット 78,100円/ターク(TAAKK)、ジレ参考商品/77サーカ(77circa)、シャツ 18,920円/メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)、スカート 26,400円/プランク プロジェクト(PRANK PROJECT)
スタイリスト:SHOTA FUNAHASHI(DRAGONFRUIT)
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前章と後章でそれぞれ、幾田さんとあのさんのコラボレーション楽曲が主題歌に起用されているのも話題です。楽曲制作の中で、改めてお互いのすごいなと思った部分はありますか?

幾田:あのちゃん側で作ってもらった「絶絶絶絶対聖域」を初めて聴いたとき、あのちゃんがあのちゃんとして120%のエネルギーを放出したんだなって思うような歌詞だったので、「これは無敵になれる曲だな!」と思いました。あのちゃんならではの歌詞の鋭さとか、詩の紡ぎ方の部分によって、自分も思いっきり歌をのせることができたというか。どんどん自分を突破して、殻を破っていかないとこの楽曲には真摯に向き合えないなと思わせてもらえた気がします。

あの:幾田さん側の楽曲は後章のエンディング主題歌なのですが、そこで「青春謳歌」という曲を作ってきてくれたというのは、すごく原作ファンの方の心情にも寄り添っているなと思いましたし、門出とおんたんの些細な日常がいつまでも続いてほしいなと願う僕にとっても嬉しかったです。日常に溶け込むような曲なので、すごくあったかい気持ちになれたりして。僕が普段アーティスト活動でやっているような曲とは全然違うので、僕の新たな一面を引き出してくれて「幾田さんさすがだな」と。

楽曲制作の中でもお互いが刺激し合っていたのですね。お2人の普段の音楽活動では、どんなことを考えながら歌っているのですか?

幾田:自分の心が震える瞬間を大事にし続けなきゃいけないな、ということをすごく考えています。それができなくなった時に、クリエイティブに矛盾や嘘が生まれると思うので、やっぱり私は自分が書く曲は自分のありのままを書いていたいし、それを歌う人でありたい。何かをアウトプットする時は絶対無感情じゃなくて、感動していたいなと。それは意識してできることではないですが、その瞬間を大事にしています。

あの:僕も歌を歌う時は、普段の生活で感じる気持ちや、リアルタイムで起こっている出来事での感情をのせることが多いです。仕事ばっかりしているし、音楽ばっかりやっているけど、アーティストとして以前にまずはひとりの人間。だから、普段の生活をしっかり過ごすことが大切だなとは常々感じています。

プライベートが、そのまま音楽活動に繋がっていると。

あの:そうですね。感情的なところは繋がっていると思います。バラエティなど他の仕事は割り切ってやっていますけど。(笑)

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