企画展「線の画家 ベルナール・ビュフェ」が、静岡のベルナール・ビュフェ美術館にて、2022年3月12日(土)から2023年3月26日(日)まで開催される。

ビュフェ作品の「線」に着目

ベルナール・ビュフェは、パリ出身の具象画家だ。1928年に生まれたビュフェは、19歳の若さで鮮烈にデビュー、黒い輪郭線と抑制された色使いにより、第二次世界大戦後の不安や虚無感を表現したと広く人気を博した。

企画展「線の画家 ベルナール・ビュフェ」では、ビュフェ作品を特徴付けるとされる「線」に着目。ベルナール・ビュフェ美術館のコレクションから、初期から晩年までの油彩画や版画あわせて100点超を展示し、「線」の表現の変遷と画家としての足跡をたどってゆく。

第二次世界大戦直後に描かれたビュフェの初期作品は、鉛筆で描きこまれた無数の線と、細い線を幾筋も重ねたような輪郭線を特徴としている。痛いようなその線の表現は、戦後の雰囲気と呼応し、時代を代表する画家ビュフェの代名詞となっていった。

やがて戦後の空気が薄れ、ビュフェの評価も変わることとなるが、ビュフェは自身の線の表現を追求し続ける。太く黒い線が「もの」と世界とを隔て、絵具の塊としてカンヴァスの上に厚く盛り上がり、溢れだすような色彩を閉じ込め、あるいは細く繊細に風景を彩るというように、ビュフェの線の表現は多様な展開を遂げていったのだった。

会場では、大戦直後の《村の通り》や《水差しのある静物》といった初期作品から、1950年代に描かれた《ニューヨーク：マンハッタン》や《えび》、自在な線を駆使して『ドン・キホーテ』の個性的な登場人物を描きだした1980年代の作品、そして最晩年の「死」の連作まで、線の変遷とともにビュフェの画家人生を紹介する。

展覧会概要

企画展「線の画家 ベルナール・ビュフェ」
会期：2022年3月12日(土)〜2023年3月26日(日)
［前期 2022年3月12日(土)〜9月27日(火) / 後期 2022年9月30日(金)〜2023年3月26日(日)］
会場：ベルナール・ビュフェ美術館
住所：静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-57
開館時間：［3月〜10月］10:00〜17:00、［11月〜2月］10:00〜16:30
※入館は閉館の30分前まで
休館日：水・木曜日(2022年3月17日(木)・24日(木)・31日(木)、5月4日(水・祝)・5日(木・祝)は開館)、祝休日の場合は開館し、続く金曜日を休館、年末年始(2022年12月26日(月)〜2023年1月5日(木))
観覧料：一般 1,000円(900円)、高・大学生 500円(400円)、中学生以下 無料
※( )内は20名様以上の団体割引
※休館日などの最新情報については、公式サイトにて確認のこと
※2022年度中に限り、休館日および開館時間が変更となっているため注意

【問い合わせ先】
ベルナール・ビュフェ美術館
TEL：055-986-1300