オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE)の2022年春夏コレクションが発表された。

「衣服と身体」の関係を改めて見つめ直す

今シーズンは「ヒューマン・アンサンブル(Human Ensemble)」がテーマ。「人間のからだ」を一つの構造物として捉え、その力強さと美しさからインスピレーションを得ることでコレクションを作り上げている。従来の「多様で普遍的な日常着」というコンセプトをベースにしつつも、あらためて「身体」にしっかりと向き合い、衣服と着る人の間に生まれる調和＝「アンサンブル(組み合わせ)」を見出すアプローチをとった。

体のライン＆素肌の色に着想

「人間のからだ」にフィーチャーした今季を象徴するのが、“体のライン”からイマジネーションを膨らませた「BODY ARCH」シリーズ。再生ポリエステル100%の糸を使用したプリーツ素材に、身体の構造から着想したパターンを落とし込んでいる。

ブルゾンは体がより動きやすいよう、背面の袖をラグランスリーブに。パンツは、まっすぐなプリーツ目と緩やかな曲線によって、立体的なフォルムに仕上げた。カラーリングも特徴的で、人間の“素肌の色”をモチーフにしている。

衣服と身体の「アンサンブル」

衣服と着る人の「アンサンブル」をより一層感じられるのが「BODY MOVEMENT」のジャケットやパンツ。砂の混ざった絵具で色をつけた背景に、人間の体をイメージした幾重もの曲線をプリントしている。身体が動くたびに筆のざらついたタッチや曲線のしなやかさが際立つため、衣服を纏った人は、衣服と自分の身体の関係性に改めて気づかされることになるだろう。

パステルカラーがもたらす軽やかな風

春夏らしい軽やかな風を運んできてくれるのが、足もとに合わせたパステルカラーのシューズ。オム プリッセ イッセイ ミヤケとアナトミカ(ANATOMICA)の「ワクワ(WAKOUWA)」によるシューズプロジェクト第4弾として発表されたものだ。新しい形のローカットモデルに、アシンメトリーな配色を施している。

なお、オンライン上で発表されたコレクション映像も、今季のコンセプトを貫いたもの。写真家 田島一成のディレクションにより、「衣服は着用してはじめて、表現が完成されるもの」という考えが伝わるムービーを完成させた。