カズユキ クマガイ(KAZUYUKI KUMAGAI)の2018-19年秋冬コレクションは、とにかく“らしさ”を追求したシーズンだ。

襟元のたつフーディットコートはブランドの定番アイテムのひとつ。今季はそれをマルチプレイヤーとして進化させた。前合わせから襟を二重に仕立てて、まるでレイヤードしているかのようなスタイルに昇華。素材は柔らかさと程よいハリを持ち合わせたメルトンで、上品さも忘れていない。

ダブルフェイスのコートは、見た目以上にカジュアルな羽織り心地。ウール自体の柔らかさはカーディガンほどの軽やかさを生むが、それでいてフラットなフォルムがきちんとエレガントかつクラシカルな印象を損なわないようにしてくれている。合わせるのは今季イチオシのグリーンが良いだろう。鮮やかなのに奥行きがあって、そして視覚だけで温かみを感じられる。肌なじみのよいブラウン系カラーが合わさり、馴染んでくれる。

スタンドカラーのジャケットもまたコートと同じく絶妙なバランスが魅力。特に今季はボタン位置を低く設定したことで、より一層気軽に羽織れるスタイルにシフトした。これに始まり、今季は襟元のデザインが特徴的で、口元まで覆うほどボリュームのあるタートルネックなどをインナーに合わせるのがメインスタイルとなっている。

プリントや目立つ色柄などはなく、しいて挙げるならチェック柄とモザイクカモ、その2種のみだ。あとは、前シーズンから登場しているブランドの頭文字「K」をあわせた形からインスピレーションを受け生まれた星モチーフが小物類をメインとして取り入れられている。カズユキ クマガイが得意とする、ミニマルかつ機能的なアイテムをベースに、少しずつ“色濃いらしさ”と“今季ならではのらしさ”が顔を出している。